ICLをお勧めできない場合について
ICLの知名度上昇とともに、ICL手術を希望される患者様は日々増えてきています。
それに伴い、手術をお勧めできない患者様も相対的に増えてきているため、適応検査を受けられる前に知っておいていただきたい項目がございます。
スカイビル眼科でのICL適応範囲
●21歳から45歳まで
年齢と共に老眼や白内障の症状がでている患者様は適応範囲外になります。老眼により手元が見にくい場合は近用眼鏡(老眼鏡)が必要になる場合があります。
●角膜の形状が特殊でない方
円錐角膜など角膜が特殊な形状をしている方の手術はできない場合がございます。また、レーシックなどの角膜屈折矯正手術歴のある患者様は手術ができない場合があります。
●緑内障や眼底等のご病気が無い方
緑内障や黄斑変性、網膜剥離などといった目の病気を患っている方は場合によっては手術ができない場合があります
●妊娠又は授乳期の方
術前術後に抗生剤の点眼、内服を行うため、妊娠中の場合は手術を避けるようお願いをしています。
ICLのメリット
●近視に戻る事が少ない
ICL手術はレーシック手術に比べ近視や乱視に戻ることが少ない手術になります。
強度の乱視や近視がある方がレーシック手術を行った場合、術後から数年後に新しい乱視や近視が現れることがあります。
●レンズの出し入れが可能
年齢を重ねるとともに白内障のリスク世代となった際、ICL手術の場合はレンズを取り出して、元の状態に戻すことができます。
レーシックでは一度変化させてしまった角膜はもとには戻らないため、ICL手術の可逆性はメリットになります。
ICLのデメリット
手術費用が高額
ICL手術は自費診療となり、費用が高額になります。
1dayコンタクトレンズを毎日使用された場合、約10年で60万程の費用がかかります。
老眼や白内障が始まる年齢の方より、若いうちに手術を行った方が、トータル的な出費を抑えることができる可能性があります。
また、ICLは医療費控除の対象になります。
年末調整にて確定申告を行うことで税金の還付を受けることができます。
詳しくはこちらをご覧ください。
ICL手術自体にリスクがある
ICLは手術創が小さく、角膜を削らない手術ですが、手術である以上はリスクが無いとは言い切れません。
ハロー・グレア
手術後、ハロー・グレアと呼ばれる、夜間の光のにじみやまぶしさを自覚することがあります。手術直後は、明るいところでも自覚される方がいますが、やがて気にならなくなる方が多いようです。
術後の疾病のリスク
●白内障のリスク
ICLと水晶体が接触した場合や、房水の流れが悪くなることによる代謝異常によって、水晶体の混濁(白内障)をきたすことがあります。白内障が軽微な場合には経過観察を行いますが、白内障が著しい視力低下をきたす場合には、新たに水晶体を摘出する白内障手術を行い、眼内レンズを挿入し視力を補正します。水晶体を摘出した場合には、調節機能が失われます。
以前は白内障になる時期を早める懸念がありましたが、現在使用しているレンズの中心に穴が開いたICLでは、白内障のリスクが殆どなくなりました。
●角膜内皮減少
これは白内障手術など、眼の手術全般のリスクになりますが、ICLの際に角膜内皮細胞が減少する場合もあります。角膜内皮細胞は角膜の最内側にある細胞で、年齢により異なるが3000個/mm2が正常ですが、この角膜内皮細胞は再生しません。この細胞が減少し500/mm2を下回ると水疱性角膜症となり、角膜内皮移植が必要になることがあります。その為、元々の角膜内皮細胞が少ない方はICL手術を受けられない可能性がございます。
●その他の疾病リスク
白内障手術などの一般的な手術にみられる合併症又は副作用等が生じる可能性が考えられます。
前房出血、瞳孔異常(ブロック、捕獲、変形)、フィブリン析出、毛様体炎、
硝子体炎、眼内炎、黄斑浮腫・変性、網脈絡膜剥離、房水漏出、創口閉鎖不全 等。
万一上記のような術後合併症又は副作用が発現した場合には、適切な処置を行います。
ICL手術を受けられる施設の選択の基準
ICL手術はレーシック手術とは違い、装置があればだれでも行えるというものではなく、眼内レンズの供給元である、スターサージカル社から許可を得た医師でしか手術は行えません。これはレーシック難民といった被害者を出さないため、一定の技術を持った医師しか手術をできないようにしています。そのため、ICL手術を受けられる方は、白内障手術の実績が多い施設での手術をお勧めしています。